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はいはい、創作創作。
「死人は喋らない…か」
「っく、久賀さん突然変なこと言わないでください!」
昼休み、上司である久賀淳二が不気味なことを口にした。
坂倉晴子はそのような類いがダメのような反応をみせた。
「すまんすまん。」
「頼みますよ、ホント!」
「でもなあ、坂倉、死人も喋るんやで?」
「冗談でしょうに。私そういうのは信じませんから。」
「坂倉、説得したるわ。話すから聞けよ。」
坂倉が断ろうとしたと同時に久賀が声を上げ、強制的に久賀の話が始まった。
「俺な、ちっさいころ、葬式の最中に死んだはずのおばあさが話しかけてきたことあるん。」
「…」
「『淳二、千代美に迷惑かけるんやないよ』て。」
坂倉は眉間にシワを寄せた。
「…なんで久賀さんに言うんです。」
「そりゃ、俺が1番おばあさの棺に近い席やったから話しかけてきたんちゃう?それに棺の中から口だけ動かして喋ってんて!」
「…ウソでしょ。」
「ホンマ。」
「…」
悪あがきは止せという目でしばらく睨み付けていると、久賀が大きなため息をついた。
「…なんでひっかからへんの!」
「ほらウソだった!私は騙されませんよ。」
「…いつかひっかけてやる…」
「受けて立ちましょう」
「…」
「…」
「…だーれだっ♪」
会話が続かないと思ったら第三者の聞き覚えのある声が聞こえたとたん、私の視界が暗転した。
「おぉ、小東!」
「ちわー。」
「何しに来てん。頭に猫乗せて、いなかっぺ大将か。」
『猫連れて何しに来ている!仕事をしろ!』等が上司としての正しい反応だろう。と、視界が無いまま坂倉は思った。
「いいでしょ。このにゃんこ、もらいません?」
「猫アレルギーだから無理や。猫好きなんやけどなー。」
「くしゃみとか出てないじゃないですか。」
「後々からくるタイプなんや!ふんっ!」
わざと足音を大きく響かせドアの閉開音がした。
あれ?怒った?逆切れした?
…久賀さんは実に不思議である。
「あー行っちゃった。…坂倉ちゃん、こーいうの好きなの?」
小東さんも二人きりになったらなったでよくわからないことを言う。
「好きじゃないですから!いつまで目隠ししてんすか!」
きっと上司であろう小東からうけていた目隠しをとっさに払った。
「ごめんごめん。にゃんこいらない?」
「いりません!」