サイト０９０三点リーダ長いの！

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2024-11-22 07:50

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「あー買っちゃったよ…衝動買いはもうしないって誓ったのに…」

小田美端はそんな独り言を口にしながら歩道橋を渡る。

「オダミハシちゃん？」

肩がびくりと反応。
彼女の名前をフルネームで呼ぶ声。
フルネーム呼びをするなんて珍しいが、美端の中ではそう珍しくはない。

「…安達さん」

予想は付いたが振り返り確認。
友人の彼氏…もとい、一つ上の先輩の安達秀平だ。

「暦ちゃん知らない？」

暦、友人の名前。

「今日は部活ですよ。」
「あー…忘れてた！通りで電話に出ないわけだ！」
「ところで、何回ほどお電話を？」
「50回。」

安達秀平、ただ者ではない。
暦ラブ、暦一筋な痛い人なのだ。
暦いわく、彼の愛はとても重いそうで、毎日最低でも10回の着信があり、怖くなってケータイをぶち壊したこともあるそう。

「じゃ、正門で待ってよ。オダミハシちゃん、気をつけてねー。」
「はーい…」

☆

「そこのお嬢さん、落としましたよ。」
「えっ？」

再び聞き覚えのある声に振り向く。
多少鳥肌が立っているのは、なぜだ。

「っ!?キレイな人と思ったら…美端ちゃん！こ、これって運命!?運命だよね!?」
お　ま　え　か！

鳥肌の訳が分かった。
私のストーカー、もとい、紺野すぐるが私の落としたであろうハンカチを持っていた。

「…ハンカチ返してください。」
「またまたぁ！照れちゃって！」

…うわぁ…

「…さ、さようならっ。」
「み、美端ちゃ…行っちゃった…このハンカチ…美端ちゃんのニオイがする…!」

☆

「はよーす。」
「おはよー。」

いつもと違う異変に気付く

「…唯子、メガネ変えた…？」
「…ついに黒縁だ。」

誇らしげにしていうことではないぞ、菊地唯子。
…それにしても、

「似合わねー！」
「…」

言葉を発した瞬間、眼鏡を外し、ソレを床にたたき付けようと手をかかげた。
唯子様ご乱心!?

「わー！ごめん！メガネ壊さないで！」
「どうせ似合わんさ！こんなもの！」
「あ、菊地が羽交い締めに遭ってる。」

ナイスタイミング！

「み、三木くん！メガネパス！」

唯子からメガネを取り上げ、三木くんにパスした。

「おわっと！だ、誰のだよ！」
「掛けて走れ！」
「りょ、了解した！」
「バッカヤロウ！追い掛けろ！」
「どうせ壊すんでしょ！」
「前が見えない！」
「…三木を追い掛けろ！」

☆

ひょんなことから逃げることになった三木信治です。
今現在、使用されていない教室に隠れています。

「三木、何してんの。」

!?

「っ丹羽ちゃん！おどかさないでよ！今隠れてんの！」

担任が声をかけた。ビビるからほんとヤメロ。

「かくれんぼ？」
「…そんなもん。」
「丹羽さん、丹羽さん。」
「お、ちょた。」

ちょた…槻塚せんせのこと？
ていうか、ここは教員のたまり場かッ！

「部費の割り当て会議始まりますよ。」
「わーめんどくさい。ちょたやっといて。」
「了解です。野球部は20円にしときます。」
「に、20円!?ちょ、ま、待てい！」
「断る、このもやしっこ！」
「な!?」

嵐が去った。

「…やっと行った…」
「…」
「あ、押見。」

ここは一体なんなんだ。

『どうしたの？』

メモ帳を俺に突き付け、首を傾げた。
あ、こいつしゃべれないのか。

「逃げてんの。」
『誰から…？』
「魔王？」

思いついた単語を言ってみた。

『…』

あ、わざわざ「…」も書くんだ。
と、言おうとした瞬間、対角線上の位置に人影が見えた。

「…っ押見、魔王来たっぽい。俺はこっちには来てないっつって！」
『!?』

☆

厄介だ…実に厄介なことを引き受けてしまった…
第一、魔王って誰なんだ？

「押見くん…？」

!?

「あ、やっぱり押見くんだ！久しぶり！」

み、美端さん!?

「お、お久しぶりですっ！」
「…こっちに三木くん来なかった？」
「…」

…美端さんが…三木くんの言ってた魔王…？

「押見くん？」

さすがに魔王ですか？とは聞けない。
三木くんを追う人などそうそういないだろう。美端さんだ。
魔王＝美端さん、だ。
急いでメモ帳に矢印を書き、向きを反転させる。
これでいいんだよね、三木くん？

『←』
「…なぜにメモ帳に…」
「な、何でもないです、はい。教員室に用があるのでこれでっ！」

よくがんばった。
もう疲れたから帰ろう。

☆

押見くんの言われた通りの道を行くとそこは旧校舎だった。

「おーいオダミハシちゃーん。」
「っあだ、ちさん!?」

真っ赤に染まった安達さんに声をかけられた。
…血!?

「え？なんか付いて…あー片岡め…ペンキだよ。血じゃない。」
「すきありっ！」

安達さんの背後からスコップが飛び出した。

「わっ」

避ける安達さん。
そのスコップが私の足元に突き刺さった。

「なんだ、女子もいたのか。気が付かなかった。」
「さすがにスコップは危ないだろ。」
「安達なら真剣白羽取り的なことしてくれると思って…」
「さすがにできない。」
「…あの」
「え？」
「こっちにメガネ…来てません？」

聞き方を間違えた。

「フェチなの？」
「いや…そうじゃなくて…」
「俺のでよければあげるよ。使わないし。」

スコップの人…！

「あ、いいんですか？」
「フェチなんでしょ。あげるよ。」

真新しい黒縁メガネをもらった。

「あっありがとうございます！」

☆

教室に戻ると暦もいた。

「唯子ー！」
「め、メガネは！」

手探りで私を探す唯子。

「よくわかんない人がくれた！」

名前を聞き忘れたことに今気付く。

「よくわかんない人が!?」
ステキなツッコミをしてくれる暦。
「もうなんでもいいから貸せ！」
「はいはい。」

空振りしつつも私からメガネをぶん取り、装着してひとこと。

「…伊達じゃねーか！」

筒原
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