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はいはい、創作創作。
青ネクタイを胸ポケットにツッコミながらアイツがやってきた。
「安達、久しぶり。」
「今回は長かったね、学校来るまで。」
「さすがにすること無くなった。今回何日?」
「2ヶ月と12日。新記録おめでとー。」
片岡桐逸は旧校舎に無断に住み着き、そこで生活までしている。
行くのが面倒なのか学校には2ヶ月に1回顔を出す程度だ。
「桐逸ー!」
「よ、マミズちゃん。」
「シミズ!」
「どっちも同じ。ね、安達。」
「なんか両方苗字みたいな名前だよね。シミズカツラちゃん。」
「そのフルネーム呼びやめろ!」
…犬みたい。
よし、心の中ではこれからシミズカツラのことを『わんこ』と呼ぼう。
「だいたい女の子はフルネーム呼びだから断るよ、シミズカツラさん。」
「で、なんか用か?」
「…集金。」
「は?」
「先生が入院したからお見舞いの花束買うための集金!」
「…入院したの?」
知らなかったのか、お前
「したした。」
「へー。いくら?」
「200円!」
「割10してくれない?」
「誰がするか。」
「いいじゃん、…葛。」
「は?」
「今日も可愛いな、葛は…」
「…」
「…20円にまけてくれ。」
「断る。」
あっさり切り捨てられた片岡が笑える。
「ちぇー。第一俺あいつの授業嫌いなんだけど。」
「俺もキライだけど出したんだから出そうよ、片岡。」
「安達も出したの?嘘だろ。」
「なんでお前のイメージの俺そんな性格悪いの?」
「お前明らかに性格悪そう。」
「そなあほな。」
なぜ今大阪弁になったのは置いといて、
「つべこべ言わずに、200円!」
「はいはい、200円ね、これだからお前モテないんだよ。」
「い、今は関係ない!」
お、わんこ動揺した。
「じゃ、俺帰るわ。」
「何しに来たの?」
「…なんだっけ。じゃ、また2ヶ月後に。」
「ういー。…シミズカツラちゃん」
片岡がいなくなったのを確認し、わんこに話す。
「な、なに。」
「それホントにお金?」
「は?」
「いいからよく見て。」
「…!…ちょ、チョコ…!」
「前俺もやられた。最近のお菓子すごいよねー。…うん、おいしい。」
棒立ちの彼女の手からチョコを一枚取り、口に運んだ。
「…きりいーちっ!!!」
走りだす彼女。
…今日も3年5組は平和です。