私の所為だ。
告白をしたのも、
私だけを見て欲しいと願ったのも、
甘えたいと願ってしまったのも、
全部、ぜんぶ、私の想い。
「……」
校長室に呼ばれてからというもの、授業以外で全く伏見先生に会っていない。
授業中に目が合うと、先生は哀しそうに笑いかけてくる。私だけが、わかる顔で。
「…ふ、ぇ」
泣くまいと、
泣くまいと、決めていたのに。
自分の軽率な行動が原因で起こった悲劇ならば、泣いて逃げるなんて卑怯な事はしないと、
心に、誓ったのに。
「う、あぁぁぁ、っぁ、…ぁ、ぁぅぅ…ぁぁ、っ……」
どうして、涙は止まってくれない?
どうして、私は泣いているの?
◆
「…さ、…りさっ、……ありさっ!」
「…ぅ、わっ」
気付いたら、こちらを心配そうな目で覗き込んでいるももと昴が目の前に居た。
「な、なに…?どうしたのよ、そんな顔して」
「なに?じゃないわよ!何なの、その目!!」
え。
ももに突きつけられた鏡を見ると、確かに目が赤く腫れている。
この顔だったら、泣いていた事がバレバレだ。
「…屋上なんかで寝てるから起こそうとしたんだ」
そっか。私、疲れて寝る位泣いたんだ」
「なんでもないよ」
でも、理由を言うわけにはいかない。
この2人だって、それを聞けば私を軽蔑するだろう。
そんな事が無かったとしても、私の問題に2人を巻き込むわけにはいかない。
「なんでもない」
だから、そう言って笑おう。
「うそ言わないでよっ!」
「嘘吐くんじゃねぇっ!」
ステレオで怒鳴られた。
「…はぁ、」
しかも盛大な溜息付きで。
「なあ、有佐。俺等の事さぁ、そんなに信用できない?」
違う。そうじゃない。
「有佐が何かにすっごい悩んでるって、分かってる。だから、私達に出来る事なら、手伝いたいの」
止めて。そんな優しい言葉。決心が鈍る。
また涙が溢れてきた。
結局、事の詳細を白状した。
2人は驚いたようだが、私に協力すると言ってくれた。
「…ごめんなさい」
「有佐、謝られても後味悪いよぉ?私達が有佐を苛めてるみたいじゃない」
「……ありがとう、2人とも」
本当に、ありがとう。
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