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はいはい、創作創作。
旧校舎に出向くと片岡が将棋セットを自分の前に置き、校内新聞を読んでいた。
「また放火か。」
「体育倉庫放火だってね。おかげで外の体育の授業が無くていいんだよね。…じゃなくて、片岡は見てないの?」
反対側の将棋セット前に座り、駒を動かす。
「何を」
「放火犯の顔。旧校舎住んでるんだし、なんか見てんじゃないの?」
「見てない。意外に寝るの早いから」
「ふーん」
そういえばこいつ単位大丈夫なのか?尋ねようとしたら片岡が口を開いた
「放火犯さ、見つけて警察つきだしたらなんか貰えるか?」
「どうだろうね」
駒を動かした
☆
私としたことが補習に引っ掛かってしまった。
それから部活に行き、部活を遅れた罰として掃除をさせられた。気付けばもう9時ではないか。
普通生徒をここまで残すのか?
今は放火犯も出て危ないというのに。
…まぁ私には関係がないが。
「…む?」
茂みの奥から物音がした。たしかあそこの近くにはうさぎ小屋がある
…放火犯?…なわけないか
でも人は時に有り得ないことも考えてしまうのだ。
うさぎ小屋の辺りをグラウンドの隅からしばらく見ていると次は物音と同時に煙りが出てきた。
疑惑が確信に変わる。
どうやら私は放火犯の犯行を見たようだ。
最近やったRPG風に言うと選択肢は『たたかう』しかない。
そんなことを思っている間にも私は行動に出ていた。
「らあっ!!」
放火犯がいると思われる茂みに向かって走り、近くにあった材木を振り下ろす。
打ち所が悪かったのか声を上げずに地面にたたき付けられる放火犯
倒れた放火犯の首根っこを掴むと冷たくなっていた。恐る恐る顔を確認。
「…二ノ宮金次郎…!?」
んなわけあるか…!あってたまるか。
でもどう見ても二ノ宮金次郎像だ。いやいや…
「おい!なにしてる!」
まずい。見られてしまった。
「私じゃないです!」
「真水かよ!」
振り向いて訂正を試みたが、そこにいたのは先生でも、警察でもなく桐逸だった。
「…は?」
「いやな、放火犯がまだ放火をしてないのに燃えてるって変だろ。だから放火される前にしてやった」
いまいち言ってることがわからないがこれはこいつがやったようだ。
「犯罪だぞ!!」
「あー。安達ーもういいぞ」
「はいはい」
安達がうさぎ小屋裏からドライアイスをタッパーに入れてニコニコしながらやってきた。
煙りはこれか…!!
「…」
「まさか犯人がシミズカツラちゃんだったなんて意外だなー」
「は!?」
うまいこと解釈されている…!
「警察つきだしたらいくらもらえるかな」
「行ってみないと分かりませんな」
さりげなく二人に両腕を掴まれ、逃げれないようだ。
「ちょ、い、いいから話を聞け!」
「え?」
「は、は犯人は、二ノ宮金次郎だ!」
後日放火犯は無事に捕まりました。